第353章

当初、北区にある児童養護施設の園長も、これほど多くの「特別な事情」を抱えた子供たちを引き受けるつもりなどなかった。ただ、目の前の命を見捨てることができず、一人、また一人と受け入れてしまったのだ。

すると、他の施設もそれに気づき始めた。暗黙の了解のごとく、厄介な子供を北区へと押し付け始めたのである。

どうせ誰かが損な役回りを引き受けてくれるのなら、自分たちが楽をしない手はない――そんな利己的な考えが透けて見えた。

病を抱える子供が増えれば増えるほど、北区の施設の経営は火の車となっていった。国からの補助金や有志による寄付だけでは、膨れ上がる医療費を到底賄いきれない。

園長は断腸の思いで、...

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